鳳凰山(薬師岳観音岳) 幕営トレッキング 前編

kimatsu

2008年07月22日 19:29

海の日連休、夜叉神峠から薬師岳・観音岳へテントを担いで出かけてきました。



海の日はお盆に並ぶ夏山のハイシーズンとのこと。
夜叉神登山口の駐車場がもし一杯だったら、、との懸念から、金曜日会社から早々に帰宅、食事と風呂をすませまして8時半には出発。12時頃には夜叉神登山口駐車場(1370m)に到着。駐車場はまだ1/4程度しかうまっておりません。ビールとウイスキーをあおってそそくさと車中泊。狭いジムニーですが、前後席が半分フラットになるのでそこにリッジレストを敷きますと快適とはいえませんがまあまあ寝られる状態となります。
車外が明るくなった頃目覚めますと、時刻は4時半頃です。コンビニで買っておいたおにぎりとトマトを朝食としたのち、身支度を調えます。夜叉神登山口のトイレは水洗で紙もありますが、大小ともに1つずつしかありませんので、朝の混雑時は行列必至です。この時間駐車場はまだ半分以上空きがあったようです。夜中に出発してきても大丈夫そうです。ただうちでちょっと寝てから夜中に出発としてもなかなか寝付けず一睡もせずにでかけることになりそうなので、私的には今後もこのパターンで行こうと思います。

朝5時頃の夜叉神登山口P



準備が整った頃、芦安から広河原へ登山者を運ぶバスの始発便が到着。”うわあ朝から一杯人が乗ってるなあ”と呆けた顔で見送りました。
実は本日、ネコの手も借りたいの茶柱さんも北沢峠から甲斐駒に登られるため、6時頃夜叉神を通過するバスに乗られると聞いておりました。時間が合えばお見送りを。。と思いつつも、本日の行程はこれまでの最大の表丹沢県民の森・塔ノ岳間を越す高低差1200m、しかも塔ノ岳の時と違って幕営装備を背負ってのもの。一刻も早く登頂を開始したいという気になり、「茶柱さんすみませんっ!かわりにジムニーにお見送りさせますのでっ!」と心中で謝りながら登頂を開始しました。

順調に100mほど登ったところで、急に不吉な感覚におそわれ、ポケットを探ってみると、なんと携帯電話がありません
フル充電の状態でスタートしようと思い、車載の充電器につなぎっぱなしにしていたため、車に置いてきてしまったようです。

初めての長距離山行、稜線上では携帯が通じるということを確認済みだったので、妻には頻繁に連絡を入れるように約束しておりました。ずっと連絡をしなければ下手をすると捜索隊が派遣されないとも限りません。
泣く泣く、折角稼いだ100mをちゃらにして車にとりに戻ることにしました。しばらくそのまま降りてみまして、ふと、”待てよ。何もこんな重い荷物を背負っておりる必要ないじゃん”、と気づき^^;;、登山道のわきにザックを放置して空身で駐車場に戻ります。

車から携帯を取り出すと、時刻は6時まで少々、茶柱さんが乗っていると思われるバスのエンジン音が林道の下の方から聞こえてきます。
こうなりましたら、ビシッと身なりを整え、メタボなおなかをひっこめ、直立不動の姿勢にてバスを見送りることにいたします。そこそこのスピードで通過していったのでどこに乗っていたのかわかりませんが、白いジムニーの横にたっている自分を認識してくれただろうと考え、最敬礼と気合いを送りつつ、登山道へときびすを返しました。
(後で判明したところによると、茶柱さんは登山開始前に見送った始発のバスに乗っておられたとのこと。緊張感のない姿をバッチリ見られてたようです^^;)

夜叉神峠までは前回ほどくたびれませんでした。シュラフをULSSダウンハガー#7のみにしたのと、南御室小屋には大変よい水場があるとの情報から、水を最小限としたため荷が軽かったこともありますが、やはり一度歩いたことがある道は短く感じるという効果が大きいのではと思います。
夜叉神峠小屋(1890m)では2ヶ月半ぶりに白峰三山が出迎えてくれました。前回は山体の半分が雪におおわれていましたが、雪渓が残る程度です。ほんの少しといっても白き筋に彩られた高山は美しいです。
何はともあれ、前回の夜叉神泊時に匹敵する絶好の好天!今回の山行に大いに期待ができます。

夜叉神峠小屋から白峰三山


夜叉神峠からはいったん少し下った後、大崖頭山の尾根の取り付きの急登です。路面が悪いところもありかなりへばります。途中でちょっと道の脇にこしかけて休憩してますと、急にガシャガシャドーンとものすごい音とともに、登山道から数メートルもはなれていなところの大木が根本から倒れました。あんなのが自分の上に倒れてきたら大けがは間違いありません。
ふと見上げると休憩しているところの頭上にも同じような状態の木が!あわてて立ち上がり登山を再開しました。

登山道わきの倒木


急登部をのぼりきるとなだらかなやせ尾根になり、やがて大崖頭山の左側を巻くゆるやかな道にはいりしばらくで杖立峠の標識(2180m)に至ります。やや下ってまたゆるやかながら延々と続く登りに入ります。登山道の左手の木々の間に白峰三山がのぞめるのがせめてものなぐさめです。

樹林からのぞく白峰三山


やや小広い広場で一休み後、また少々きつい登り道を行くと、急に広々としたところに出ます。
ここは焼け跡(2300m)と呼ばれるかつての山火事の跡で、本日の行程の中では随一の白峰三山の素晴らしい眺望が得られるポイントです。ここにて持参したおにぎりで早めの昼食としました。
木陰に入れば、風もさわやかで、大変きもちのよいランチタイムでした。

焼け跡からの白峰三山



ここからはまたややつらい登りを200mほど登ると本日の最高標高点である苺平(2520m)です。ここからは大ナジカ峠を経由して先日登った甘利山へ下る赤破線の登山道もあるようです。
苺平手前のあたり


苺平



苺平からは辻山の右側を巻くほぼやや下る樹林の道をすすむと本日の幕営地、南御室小屋(2430m)に到着!小屋で幕営料500円を払うと、真っ先においしいと評判の水場へ!もっのすごく冷たくって、ウンマイです!!冷蔵庫でキンキンに冷やしたミネラルウオーターがそのままドバドバと流れているという感じ。

南御室小屋全景


水場



テント場 


 

まだ10張り程度。なぜかみなさんかんかん照りのところにテントを張っておられ、涼しげな樹木の下が結構あいています。あとで考えると、雷を想定してあえて樹下を避けるというのが山のテント場の常識/定石なのかと推測しました。山やを装ったお気楽キャンパーである私は何も考えずにサルオガセのぶら下がった気持ちのいい木の下に設営。とりあえず涼しくって最高に気持ちいいです。

ビール(600円)を購入し、プシュッ!水もウマイですが、麦の水はまたウマイです。
携帯座布団を尻に敷き、足下はザックカバーを敷物代りに靴を脱いでリラックス。

ビールを一本飲むと、昨夜の車中泊と本日の登りで疲れもあり、テントに入っての恒例の昼寝タイム。

小一時間ほどして、起きますと、テント場はいつの間にか色とりどりのテントで7割方うまっています。アライやダンロップ(プロモンテ)が多いようですが、MSR(多分ハバHP)やなんとモンベルムーンライト7と思われる巨大なテントの家族連れも!力持ちな、お父さん、すごいです。他はオーソドックスな山岳テントばかりで、Contrailを持って行ったら、目立っちゃったかと。。

夕刻のテント場



突然思いついた、林道とキャンプ的、山のテント場情報。

幕営料 500円
水場 あり(ドバドバ)
サイト  草地または土
トイレ     なんと簡易水洗、さらにロール紙完備。快適レベル高し!
ハンモック対応    十分可能っぽい(サイトの奥にいい感じの林あり)
モノポール系対応 十分可能(ペグOK、サイト一面がおおむね平坦)
携帯電話対応 テン場から数分歩いたところに可能エリアあり


モノポールはともかく、ハンモックは木を傷つける懸念などで怒られるかもしれませんのであくまでも物理的に可能かどうかの私の勝手な推測ですのでその点はご了承ください。

5時くらいになると皆さんにならって、夕飯の支度。



本日のメニューは山グルメまこぞっきさんもおすすめの尾西のFDわかめごはんといまるぷさんの記事にあった魚ソーのマヨ七味いためと最近お気に入りのヱスビーのトムヤムクン・レトルト。いずれも大変満足でした!魚ソーのマヨ七味いためを作成中、発見したのが、七味の中に含まれる少量のゴマが油でいためられることにより誠に香ばしい香りを放つということ。FDわかめご飯にはふりかけ用のゴマの小袋が添付してますので、これを半量、魚ソーのマヨ炒めに投入することにより大変よいコンビネーションを構築できるのではないでしょうか。

今ひとつのメニューがこれ、水場の冷たい水で冷やしたトマト。

南御室小屋情報をWEBで探していたときにどなたかがやっておられるのをみて、担いでみた次第です。

夕飯をすませた後は、バーボンのおいしい水割り。適当にコンビニで選んだつまみのアーモンドフィッシュローストチーズはナイスな女房役でした。

7時くらいには眠くなりましたので、就寝。疲れもあってぐっすり。
夜中にトイレに起きたとき、満天の星空を期待したものの、残念ながら当夜は一五夜の満月。快晴の空ながら星空を楽しむことはできませんでした。満月に照らされたテント場の夜はいびきの音のハーモニーとともに更けていくのでした。 

つづく
関連記事